年の瀬を感じるころになると、必ずやってくる年末調整。
毎年会社から渡される書類になんとなく印を押して提出している、という方が多いのではないでしょうか。
(私も税理士事務所に勤務するまではその一人でした。)
今まで意味も目的もわからず行なっていた年末調整、実はしっかり理解していないと知らず知らずのうちに損をしている可能性があります。
そもそも、年末調整とはどのようなことなのでしょうか。

Wikipediaには、
【年末調整とは、サラリーマンや公務員などの給与所得者に対して事業所等が支払った1年間の給料、賞与や賃金及び源泉徴収した所得税等について、原則として12月の最終支払日に再計算し所得税の過不足を調整すること。】
と書かれています。

年末調整は、正しく正確な税金を納めるために実際に払った所得税と本来払うべき所得税の額を精算する、といった目的があります。
お金が戻ってくる場合(還付)もあれば、追加で支払わなければならない場合(追徴)もある、ということです。
還付があれば、ラッキー!と思うでしょうし、追徴だと損をした!と思いがちですが、実際は正しい税金に応じた金額を納める行為をしているだけなので、現実的には損得ではありません。

所得税はどのようにして決まるの?

所得税はその年の1月から12月の所得額によって決まります。
そのため会社は、1年間の所得総額を予め予想し、そこから社会保険料の金額、扶養の人数に応じた控除額を合算して得られた結果から、毎月の給与から所得税を天引きして国に収めています。
所得税を徴収して、国に収めていることを源泉徴収といいます。

年末調整は天引きされた所得税を調整すること!

1年間の所得額を予想して所得税は天引きされますが、実際はその1年間でさまざまな理由により給与額に差が生じます。
残業して給与が増えたり、ボーナスが減ってしまったり、また結婚して子供が増えたりすると納付すべき所得税が少なくなったり、生命保険料控除や医療費控除などに応じても所得税が減ります。
年末調整の目的は、会社が給料から毎月天引きしていた「多分これくらいだろうという所得税」と「本来収めるべき所得税」の差を調整し、多く払いすぎていた場合は還付金として戻してもらい、少なく払ってしまった場合は追徴として支払うということなのです。

年末調整の目的をしっかり理解しましょう

今まではなんとなく済ましていた年末調整も、意味や目的を理解すればしっかりと申告しなければいけないことがわかると思います。
年内に扶養する家族の増減があったり新しく保険に加入したなど、所得額に影響を及ぼす出来事が起きた場合はきちんと年末調整の時期に申告することが大事です。

年末調整の意味と目的を正しく理解し、正しく税金を収めましょう!!