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役員報酬の決め方!節税バランスを最適化するポイントとは | 千葉かつこ税理士事務所
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役員報酬の決め方!節税バランスを最適化するポイントとは

役員報酬の決め方!節税バランスを最適化するポイントとは

役員報酬は、単に役員への報酬であるだけでなく、法人の利益をどのように配分し、税負担を最適化するかという経営戦略の根幹をなすものです。
その決定方法次第で、法人税、個人の所得税、そして社会保険料といった複数の税金・保険料の総額が大きく変動します。
利益を効果的に活用し、経営者としての将来設計も考慮した最適な役員報酬の設定は、事業の持続的な成長のために不可欠な要素と言えるでしょう。

役員報酬と税金社会保険料の関係

法人税と個人所得税

役員報酬は、法人の経費(損金)として計上されるため、法人の課税所得を減らし、結果として法人税の負担を軽減する効果があります。
これにより、会社の利益から法人税が課される部分が減少します。
しかし、その役員報酬は役員個人の給与所得となり、所得税や住民税、さらに復興特別所得税といった個人の税金計算の対象となります。
つまり、法人税を抑えることができても、役員個人にかかる税金は増加するという、法人と個人間での税負担の移転が生じる可能性があります。
これは、会社にお金を残して法人税を払うか、役員個人で受け取って所得税を払うかという、利益の分配方法に関わる選択とも言えます。

社会保険料の増加

役員報酬の金額は、健康保険料、厚生年金保険料、そして介護保険料(40歳以上の場合)といった社会保険料の算定基準となります。
役員報酬額は「標準報酬月額」として等級に当てはめられ、その等級に基づいて保険料が計算されます。
役員報酬が増加すれば、それに伴って標準報酬月額も上がり、結果として社会保険料の負担も増加する傾向にあります。
社会保険料は会社(法人)と役員個人がそれぞれ約半額ずつ負担する仕組みであり、報酬額の増加は法人・個人双方のキャッシュアウトを増やすことになります。
法人税や所得税だけでなく、社会保険料の負担増という側面も考慮した上で、役員報酬額を慎重に検討することが、事業の健全な運営と経営者の生活設計のために極めて重要です。
なお、役員報酬の改定は、社会保険料の等級にも影響するため、改定のタイミングも考慮に入れる必要があります。

役員報酬の決め方と節税バランス

法人税を抑える報酬額

法人税には、一定の所得金額以下の場合に適用される軽減税率制度が存在します。
資本金1億円以下の法人の場合、年間所得800万円以下の部分には、15%の軽減税率が適用されます(※2024年4月1日現在)。
この「800万円の壁」を意識し、法人税の負担を最小限に抑えたいと考える場合、法人税率がさらに高くなる部分まで役員報酬として個人で受け取るのではなく、その利益を法人内に留保しておくという考え方もあります。
法人内に留保すれば、将来の設備投資や新規事業の資金源としたり、予期せぬ事態に備えるための内部留保を厚くしたりすることが可能になります。

個人税を抑える報酬額

一方で、役員報酬は役員個人の所得税・住民税の課税対象となります。
個人の所得税は累進課税制度が採用されており、所得が高くなるほど税率も段階的に高くなります。
所得税率は5%から始まり、所得が増えるにつれて10%、20%、30%、37%、そして最高45%(所得税+復興特別所得税)まで上昇します。
これに加えて、所得額に応じて課税される住民税も課税されます。
そのため、役員個人の手取り額を最大化し、税負担を抑えるには、所得税率が急激に上昇する手前の金額、いわゆる「税率の階段」を意識した報酬額に設定することが効果的となります。

法人個人トータルの最適化

節税の観点から最も理想的なのは、法人税、個人所得税、そして社会保険料といった、法人と個人にかかる税金・保険料の総額が最小となるような役員報酬額を設定することです。
法人税率が比較的低い所得領域と、個人所得税率がまだ低い所得領域との間で、最適なバランス点を見つけることが求められます。
報酬額ごとの法人税、役員個人の所得税・住民税、社会保険料の合計額をシミュレーションし、最小となる額を見つけることが有効です。
この最適解は、会社の現在の利益状況、役員の年齢や家族構成、将来のライフプラン(住宅購入、教育資金、退職後の生活など)によっても変動するため、定期的な見直しと検討が不可欠です。

役員報酬節税の注意点

損金算入できない報酬

役員報酬を経費(損金)として法人税の計算上控除するためには、税法で定められた一定の要件を満たす必要があります。
主なものとして、事業年度開始から3ヶ月を経過した日以降に支給する給与について、毎月同額を支払う「定期同額給与」、あるいは株主総会等で事前に支給時期と金額を確定させ、税務署に届け出た「事前確定届出給与」などがあります。
これらの要件を満たさない役員報酬、例えば期中に突然大幅に増額された報酬や、業績連動ではないのに業績が悪い時期に支払われた高額な報酬などは、法人の経費として認められず(損金不算入)、結果として法人税の負担が増加する可能性があります。
また、役員個人への賞与も、その支給時期や金額の確定方法によっては損金算入が制限される場合があります。

変更時期と手続き

役員報酬の決定や変更は、原則として事業年度開始から3ヶ月以内に行う必要があります。
これは、期中の利益予測に基づいた計画的な報酬設定を促し、期末の利益操作を防ぐためのルールです。
事業年度開始から4ヶ月目以降に役員報酬を増額しても、その増額分は原則として損金算入が認められません。
ただし、業績の著しい悪化など、やむを得ない理由がある場合には、期中であっても報酬を減額することは可能な場合があります。
また、役員報酬の改定には、株主総会での決議といった正式な手続きも不可欠であり、その議事録を適切に作成・保管しておく必要があります。
これらの時期や手続きを誤ると、期待していた節税効果が得られないだけでなく、税務調査で指摘を受け、追徴課税のリスクを招くこともあります。

高額報酬のリスク

役員報酬を過度に高く設定しすぎると、税務署から「不相当に高額」であると判断され、損金算入が認められない場合があります。
この「不相当に高額」かどうかの判断には、役員の職務内容や責任の度合い、会社の現在の収益状況、従業員への給与支払状況(役員報酬と従業員給与のバランス)、同規模・同業種の他社の役員報酬水準などが総合的に考慮されます。
会社の業績が低迷しているにもかかわらず、役員報酬だけが異常に高額であるといったケースは、税務調査で厳しくチェックされる対象となります。
過度な節税を狙って不合理に高額な報酬を設定することは、かえって法人税の増加や、場合によっては役員個人への贈与とみなされるリスクを伴い、結果的に税負担を増やすことになりかねません。

役員報酬の節税テクニック

配偶者親族への報酬分散

役員報酬を役員本人だけに集中させるのではなく、配偶者や他の親族(その方も役員とした場合)にも適切に分散して支払うことで、個人の所得税負担を軽減できる場合があります。
所得税は累進課税制度を採用しているため、所得を複数の人に分散させることで、各人の所得税率を低く抑え、結果として家族全体の税負担を低くすることが可能になります。
役員本人の所得が最高税率に達している場合、配偶者に報酬を支払うことで、その配偶者の所得は低い税率で計算されるため、全体として有利になることがあります。
ただし、重要なのは、報酬を受け取る配偶者や親族が、実際に会社で相応の業務を行っており、その業務内容や貢献度に見合った報酬額であることです。
名目だけの報酬は税務調査で否認されるリスクが非常に高いため、業務実態の伴わない報酬分散は避けるべきです。

通勤手当現物給与活用

役員報酬とは別に、通勤手当を支給することも有効な節税策の一つとして挙げられます。
一定の非課税限度額の範囲内であれば、通勤手当は役員個人の所得税・住民税の課税対象とはなりません。
公共交通機関を利用する場合の非課税限度額は月15万円までと定められており、マイカー通勤の場合も、距離に応じて定められた限度額があります。
この非課税限度額の範囲内で通勤手当を支給することにより、役員個人の課税所得を実質的に減らすことができ、結果として税負担を軽減することができます。
これは、役員報酬を多少減額し、その差額を非課税の通勤手当で補填する、といった形で活用することも可能です。
この方法は、役員報酬の損金算入要件に影響されにくいため、比較的取り入れやすい節税策と言えるでしょう。

まとめ

役員報酬の設定は、法人税、個人の所得税、社会保険料といった複数の税金・保険料の負担に直接影響を与える、経営戦略の根幹をなすものです。
法人税・個人所得税・社会保険料の制度を理解し、法人・個人トータルの税負担が最小となるバランス点を見つけることが節税の鍵です。
損金算入要件、変更時期、高額報酬のリスクなどを理解しておく必要があります。
配偶者への報酬分散や非課税の通勤手当活用といったテクニックも効果的です。
税制、会社法、社会保険制度などが絡むため、専門家である税理士等への相談も有効です。
最終決定は、会社の状況や役員の意向を勘案し、慎重に行うことが肝要です。

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