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決算賞与の損金算入要件とは?法人税を減らすための条件と注意点 | 千葉かつこ税理士事務所
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決算賞与の損金算入要件とは?法人税を減らすための条件と注意点

決算賞与の損金算入要件とは?法人税を減らすための条件と注意点

企業の業績向上を従業員と分かち合う決算賞与は、従業員のモチベーションを高め、組織全体の士気を向上させる効果が期待できます。
さらに、会社にとっては、一定の要件を満たすことで、支払った決算賞与を損金として計上し、法人税の負担を軽減できるという大きなメリットがあります。
しかし、この損金算入が認められるためには、法的に定められた厳格な要件を満たす必要があります。
特に、通知や支払いに関する時期と方法、そして事業年度内での経理処理は、税務上の取り扱いを左右する重要なポイントとなります。

決算賞与とはどんな賞与か

業績に応じた臨時支給

決算賞与は、企業の業績が好調であった場合に、その利益の一部を従業員に還元する目的で支給されます。
そのため、業績が良ければ支給額が増え、悪ければ支給されない、あるいは支給額が減額されるといった、業績連動型の性質を持ちます。
これは、毎月決まった時期に支給される通常の賞与とは異なる点です。
業績連動型の性質について、具体的な例を挙げるならば、売上目標達成率や利益額に応じて支給額が決まるケース、あるいは会社全体の利益が一定額を超えた場合にのみ支給されるケースなど、複数のパターンが考えられます。
これにより、従業員は自らの働きが直接賞与に反映されることを実感しやすくなり、目標達成への意欲を高めることにつながります。

従業員の士気を高める

決算賞与の支給は、従業員のモチベーション向上に直接つながります。
自らの貢献が会社の業績に結びつき、それが賞与として還元されることを実感することで、従業員は仕事への意欲を高め、より一層の貢献を目指すようになります。
また、会社への帰属意識や一体感を醸成する効果も期待できます。
モチベーション向上という点について、心理学的な側面や具体的な行動変化に触れるならば、「期待理論」のように、努力が成果につながり、その成果が報酬(賞与)につながるという期待感が高まることで、従業員の行動意欲が刺激されることなどが挙げられます。
また、会社全体の業績への貢献が目に見える形で報われることで、チームワークや部署間の連携が促進され、組織全体としての生産性向上にも寄与する可能性も秘めています。

決算賞与の損金算入メリット

法人税額を減らす効果

法人税は、企業の所得(益金から損金を差し引いたもの)に対して課税されます。
決算賞与を損金として計上できると、その事業年度の損金が増加するため、課税される所得が減少します。
結果として、法人税の納税額を抑えることが可能になります。
業績が良く利益が多く出た企業にとっては、従業員への還元と節税を両立できる有効な手段となります。
法人税の計算構造をより具体的に説明するならば、企業の所得は、売上から売上原価や人件費、その他の経費を差し引いて計算されます。
決算賞与が経費(損金)として認められることで、この課税所得が直接的に減額されるため、結果として税金が安くなるというメカニズムです。
例えば、利益が1億円の企業が、決算賞与として2000万円を損金算入できた場合、課税所得が8000万円に減り、税負担が軽減されることになります。

利益から差し引ける仕組み

企業の所得は、一般的に「益金(売上など)」から「損金(経費、人件費、決算賞与など)」を差し引いて計算されます。
決算賞与は、この「損金」に該当するため、支払うことで損金の総額が増加します。
これにより、課税対象となる「所得」が減少し、法人税額の軽減につながるという仕組みです。
損金算入の会計処理上の意味合いを補足するならば、損金とは、税法上の費用として認められるものを指し、企業会計上の費用とは必ずしも一致しない場合があります。
決算賞与が損金として認められるためには、税法上の要件を満たす必要がありますが、満たした場合は、会計上も費用として計上され、企業の利益を圧迫する形で税負担を軽減する効果を発揮します。
これは、企業が利益を内部に留保するだけでなく、従業員への還元という形で外部に流出させることで、税負担の軽減というインセンティブを得られる仕組みと言えます。

決算賞与の損金算入要件

通知と支払いの時期と方法

決算賞与の総額が、各従業員ごとに、かつ、同時期に支給を受けるすべての従業員に対して明確に通知されていることが必要です。
さらに、その通知された金額は、通知をした日の属する事業年度終了の日の翌日から1ヶ月以内に支払われなければなりません。
通知の具体例としては、給与明細や賞与通知書などの書面で行うことが望ましいです。
口頭での通知では証拠が残らないため、後々のトラブルや税務調査での確認が困難になる可能性があります。
また、「通知をした日の属する事業年度終了の日の翌日から1ヶ月以内」という時期は非常に重要で、例えば3月決算の会社であれば、翌年4月30日までに支払いを完了させる必要があります。
この期間を過ぎてしまうと、たとえ通知が適正に行われていても、その事業年度の損金としては認められず、翌期の損金として扱われることになります。

通知額通りの支払いを確実にする

損金算入の要件として、通知した支給額と実際に支払われる支給額が一致していることが求められます。
通知した金額と異なる額を支払った場合、または通知した従業員の一部に支払われなかった場合、損金算入が認められない可能性があります。
なぜ通知額通りの支払いが重要なのかを説明するならば、これは、決算賞与が「従業員に対して、その事業年度の所得の金額その他の財務勘定の状況に応じて、その事業年度に係る所得の金額の計算上損金に算入されるべき金額」として、事前に確定している必要があるためです。
通知額が確定した金額であるにも関わらず、支払時に減額したり、支払わなかったりすることは、この「確定性」を損なう行為とみなされます。

事業年度内の損金経理処理

決算賞与の支給額は、通知した日の属する事業年度において、会計上、損金として経理処理(損金経理)されている必要があります。
つまり、支払いが次期になったとしても、前事業年度の損金として計上するためには、前事業年度中に会計処理を完了させておくことが重要です。
損金経理処理の具体的な意味合いと、そのタイミングについて説明するならば、損金経理とは、法人がその会計期間の損益計算書において、費用として計上することを指します。
決算賞与の場合、たとえ実際に従業員への支払いが翌事業年度になったとしても、前事業年度末までに「未払金」などの勘定科目で費用計上しておく必要があります。
これは、税務上、その事業年度の所得計算において損金に算入するためには、その事業年度の会計において費用として認識されていることが前提となるためです。

損金算入できない決算賞与の注意点

役員への支給は対象外

決算賞与であっても、役員に支給される分は損金算入の対象外となります。
役員報酬については、法人税法で定期同額給与や事前確定届出給与など、損金算入できるための厳格な規定があり、決算賞与のような臨時的な賞与とは別に扱われます。
役員賞与が損金算入できない理由を、税法上の位置づけから説明するならば、役員報酬は、会社の経営者に対する対価として、その職務遂行の対価として支払われるものであり、従業員への賞与とは性質が異なります。
法人税法では、役員報酬の損金算入について、その金額や時期、支給方法などが厳しく定められており、決算賞与は、あくまで「従業員」に対する業績還元を目的としたものであり、役員報酬の規定とは別枠で、損金算入が認められないのが原則です。

通知・支払いの条件外のケース

前述した損金算入要件から外れるケースも注意が必要です。
例えば、従業員への通知が遅れたり、通知した金額と異なる額を支払ったり、支払いが事業年度終了の日の翌日から1ヶ月を超えたりした場合などが該当します。
具体的な例を挙げて、なぜこれらのケースが損金算入できないのかを再度強調するならば、通知が遅れるということは、事業年度終了後になってから通知が行われた場合などが該当し、その事業年度の損金として認識できません。
また、通知額と異なる額の支払いは、前述した「確定性」の要件を満たさないためです。
支払いが1ヶ月を超えた場合も、税法上の要件である「事業年度終了の日の翌日から1ヶ月以内」という期限を過ぎているため、その事業年度の損金とは認められません。

事業年度内の損金経理処理

損金算入の要件の一つである「通知した日の属する事業年度における損金経理」が、期日までに、または適切に行われなかった場合も、損金算入が認められない可能性があります。
期末の忙しい時期にあっても、正確な会計処理が求められます。
損金経理処理が不備となる具体的な状況を例示するならば、例えば、期末に決算賞与の支給を決定したものの、経理担当者が期末までに会計システムへの費用計上を忘れてしまった場合や、計上したものの、その金額が通知額と異なっていた場合などが考えられます。
これらの処理は、税務上のメリットを確実に得るために、経理部門と人事部門、経営層が連携し、期日管理を徹底して行うことが不可欠です。

まとめ

決算賞与は、企業の業績に応じて従業員に還元する一時的な賞与であり、モチベーション向上に寄与します。
また、支払った決算賞与を損金算入することで、法人税の負担を軽減できるというメリットも大きい制度です。
しかし、損金算入が認められるためには、支給額の通知、1ヶ月以内の支払い、そして事業年度内の損金経理といった厳格な要件をすべて満たす必要があります。
役員への支給は対象外となる点や、通知額通りの支払いを確実に行うことなど、細かな注意点も存在します。
これらの要件と注意点を正確に理解し、適切に対応することが、決算賞与を有効活用するための鍵となります。
決算賞与は、単なるインセンティブ制度や節税策にとどまらず、企業の持続的な成長を支えるための重要な経営戦略の一部となり得ることを示唆します。
従業員への公正な還元は、組織の信頼関係を強化し、優秀な人材の定着や採用にもつながります。
一方で、損金算入の要件は、税法遵守という観点から非常に厳格であり、税務リスクを避けるためには、専門家(税理士など)への相談も有効な手段となります。
最終的に、決算賞与制度を成功させるためには、制度設計、従業員への丁寧な説明、そして正確な実務処理が一体となって初めて、その効果を最大限に発揮できると言えるでしょう。

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