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月次決算で経営分析!業績向上へ導く方法を解説 | 千葉かつこ税理士事務所|埼玉県の会計・税務申告・リスクマネジメント業務
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月次決算で経営分析!業績向上へ導く方法を解説

月次決算で経営分析!業績向上へ導く方法を解説

月次決算は、年に一度の年次決算とは異なり、企業の経営状況を毎月タイムリーに把握し、迅速な意思決定に繋げるための重要な経営管理ツールです。
この定期的な経営の健康診断を通して、企業は変化の兆候をいち早く捉え、成長を加速させると同時に、予期せぬリスクを最小限に抑えることが可能となります。
今回は、この月次決算を用いた経営分析の真の目的、具体的な分析手順、注目すべき主要指標、そして分析結果を具体的な行動に繋げる改善策の立案までを体系的に解説します。

月次決算で経営分析をする目的

経営の課題を明確化し現状を把握する

月次決算を分析することで、売上高や利益、経費といった主要な経営数値を、前月や前年同月、そして期初に立てた予算計画と比較しながら定点観測できます。
これにより、企業は自社の現状の経営状況を客観的かつ正確に理解し、計画と実績の乖離から潜在的な問題点を早期に発見することが可能になります。
例えば、売上高の減少傾向や特定の経費が予算を超過しているといった、一見些細に見える変化でも、毎月のモニタリングを通して早期にその兆候を発見することで、問題が深刻化する前に対策を講じられます。
これにより、経営上のリスクを未然に防ぎ、より安定した経営基盤を築くことができるのです。

リスクを早期発見し最小限に抑える

月次決算による継続的な分析は、資金繰りの悪化や採算性の低下といった、将来の経営リスクを予測し備える上で非常に有効です。
例えば、売上高の減少傾向が続いている場合、その原因が市場の変化なのか、製品の競争力低下なのかを深掘りして分析し、早期に対策を講じることで、さらなる損失の拡大を回避することができます。
また、特定の経費、例えば原材料費の急増なども、早期に発見することで、その原因究明と代替品の検討や仕入先の見直しといったコスト削減策に迅速に着手することが可能になり、企業の財務状況の悪化を防ぐことに繋がります。
このように、月次決算を用いた継続的なモニタリングは、攻めの経営だけでなく、守りのリスク管理の観点からも極めて重要です。

迅速な意思決定で業績を向上させる

月次決算の分析結果という客観的なデータに基づいて迅速な意思決定を行うことで、企業は経営環境の変化に対して柔軟かつ的確に対応し、業績の向上を図ることができます。
例えば、売上高が期初の計画を下回っている場合、その原因を分析し、営業戦略のテコ入れや新たな販促キャンペーンの実施といった具体的な対策をタイムリーに講じることで、売上高の回復を目指せます。
また、経費分析からコスト削減の必要性が見えた場合、具体的な削減対象項目を特定し、実行に移すことで、利益率の向上に直接繋げることが可能です。
このように、月次決算と経営分析を経営サイクルに組み込むことで、迅速な軌道修正が可能となり、企業の競争力を着実に高めることができます。

月次決算を用いた経営分析の手順

売上高分析で成長性を評価する

まず、基本となる売上高の推移を多角的に分析することで、企業の成長性を評価します。
過去数ヶ月から数年にわたる売上高の推移を比較することで、成長率のトレンドや季節による変動パターンなどを客観的に把握できます。
さらに、どの製品が、どの顧客層に、どの地域で売れているのか、製品別、顧客別、地域別の売上高を詳細に分析することで、成長を牽引しているドライバーや、逆にテコ入れが必要な課題を具体的に特定することができます。
例えば、特定の主力製品の売上が減少している場合、その原因を市場調査や顧客アンケートを通じて分析し、製品改良や価格戦略の見直しなどを検討する必要があります。

粗利益分析で収益性を評価する

売上高分析と必ずセットで行うべきなのが、粗利益(売上総利益)の推移を分析し、企業の根源的な収益性を評価することです。
粗利益は、売上高から製品の製造やサービスの提供にかかった直接的な費用である売上原価を差し引いたものであり、その事業や製品が持つ本質的な稼ぐ力を示す重要な指標です。
粗利益率の変動を丹念に分析することで、競合との価格競争の激化や、原材料費や労務費の高騰といった外部環境の変化による問題点をいち早く発見することができます。
また、製品別、顧客別の粗利益率を分析することで、本当に儲かっている製品や優良顧客を特定し、経営資源をより収益性の高い分野へ重点的に配分するなどの戦略的な判断が可能になります。

経費分析で効率性を評価する

経費分析では、事業運営に要した販売費及び一般管理費(販管費)の各科目の推移を分析することで、企業の費用効率を評価します。
人件費、広告宣伝費、地代家賃といった主要な固定費や、運送費などの変動費について、それぞれの増加要因を分析することで、無駄な支出を削減し、経営をスリム化する機会を発見することができます。
例えば、人件費や広告宣伝費といった主要な経費については、その支出内容が売上や利益にどれだけ貢献しているかという費用対効果を分析し、より効率的な資源配分を検討する必要があります。
これにより、聖域なきコスト削減を図り、企業の収益性を構造から向上させることが可能です。

主要な経営指標とその分析方法

売上高の推移分析

売上高の推移分析では、過去数ヶ月の売上高をグラフ化し、そのトレンドラインを分析します。
季節による需要変動や、市場全体の経済情勢の影響などを考慮しながら、自社の売上高の変動要因を特定します。
特に、前年同月比を比較することで、季節要因を除いた純粋な成長性を評価できます。
例えば、売上高が前年同月比で減少傾向にある場合、その原因を市場、競合、自社の要因に切り分けて究明し、適切な対策を講じる必要があります。

利益率の変動分析

粗利益率、営業利益率、経常利益率といった各段階の利益率の変動を分析することで、企業の収益構造を詳細に評価します。
粗利益率は「商品力」、営業利益率は「本業での稼ぐ力」、経常利益率は「企業の総合的な収益力」を示すため、どの段階で利益率が圧迫されているかを見ることで、課題がどこにあるのかを特定できます。
例えば、営業利益率が低下している場合、売上高の減少、原価の高騰、あるいは販管費の増加といった要因を分解して分析し、それぞれの要因に対する具体的な対策を検討する必要があります。

費用効率の分析

費用効率の分析では、売上高に対する各経費の比率、特に「売上高販管費率」を分析します。
この比率が上昇傾向にあれば、売上の伸び以上に経費が増加していることを意味し、経営の効率性が低下しているサインです。
各経費の効率性を評価し、業務プロセスに無駄がないかを見直し、支出を削減するための改善策を検討します。
例えば、販売費や管理費の比率が高い場合、営業活動の生産性向上やバックオフィス業務の見直しが必要となる場合があります。
効率的な業務プロセスを構築することで、コスト削減と生産性の向上を同時に実現できます。

月次決算と経営分析を活かした改善策の立案

売上向上施策の検討

月次決算の分析結果という客観的なデータに基づいて、売上を向上させるための具体的な施策を検討します。
例えば、有望な顧客セグメントへのアプローチ強化、既存顧客へのアップセル・クロスセルの推進、あるいはデータに基づいた新製品の開発・販売など、具体的な施策を立案し、明確な数値目標と実行計画を策定します。
そして、施策実行後も継続的なモニタリングを通してその効果を検証し、PDCAサイクルを回しながら必要に応じて修正を加えることで、着実な売上向上を実現します。

コスト削減策の検討

経費分析の結果を基に、どの費用を、どのように削減するかの具体的なコスト削減策を検討します。
例えば、業務プロセスの見直しによる残業代の削減、ペーパーレス化による消耗品費の削減、あるいは広告宣伝費の費用対効果の検証と見直しなど、具体的な削減策を立案し、実行計画に落とし込みます。
ただし、品質の低下や従業員の士気を損なうような無理なコスト削減は避け、あくまで「無駄」を省くという視点で、売上向上とのバランスを取りながら企業の収益性を向上させることが重要です。

業務効率化の推進

月次決算の分析を通して、ボトルネックとなっている業務プロセスを特定し、その効率化を推進します。
例えば、定型的な入力作業を自動化するRPAツールの導入、部署間の情報共有を円滑にするためのITシステムの刷新、あるいは従業員のスキルセットに応じた人員配置の最適化など、具体的な効率化策を検討し、実行します。
生産性の向上とコスト削減を同時に実現することで、企業の競争力を根本から高め、持続的な成長を支える強固な経営体質を構築します。

まとめ

今回は、月次決算を用いた経営分析の目的から、具体的な手順、注目すべき主要指標、そして分析結果を活かした改善策の立案についてまでを解説しました。
月次決算は、単なる経理部門の作業ではなく、企業の現在地を正確に示し、未来へ進むべき方向を照らす経営の羅針盤となる、極めて重要なツールです。
この定期的な経営分析のサイクルを社内に定着させることを通じて、企業は成長を促進し、リスクを最小限に抑え、いかなる経営環境の変化にも耐えうる持続的な発展を遂げることが可能になります。
本稿で紹介した内容を参考に、自社の経営状況を多角的に分析し、具体的な改善策を検討することで、企業の着実な成長に繋げてください。

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