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事業承継とM&A成功への道!税務の注意点と確実なステップガイド | 千葉かつこ税理士事務所
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事業承継とM&A成功への道!税務の注意点と確実なステップガイド

事業承継とM&A成功への道!税務の注意点と確実なステップガイド

事業承継とM&Aの際には、税務問題が極めて重大な役割を果たします。
多くの経営者や財務担当者がこの複雑なプロセスをスムーズに進めるためには、適切な知識と戦略が不可欠です。
この点で、税務上の注意点を的確に把握し、適正な税金の計算方法を習得しておくことは、後日のトラブルを避け、企業の財務健全性を保つために極めて重要です。

事業承継とM&Aにおける税務の基本

事業承継・M&Aで課税対象となる主な税金の種類

事業承継やM&Aの場面では、譲渡所得税、法人税、消費税、さらには印紙税、登録免許税など、複数の税金が絡み合います。
たとえば、個人が株式を譲渡して譲渡益が出た場合は、申告分離課税により所得税(復興特別所得税を含む)と住民税が課されます。個人事業税は対象外です。
また、M&Aで資産譲渡型(企業が保有する資産を個別に売却・引き継ぐ方式)を採用した場合は、資産の売却益に対して法人税が課されます。
消費税については、対象資産の性質や事業の取扱いによって免税・課税の判断が異なるケースがあります。
非上場株式の譲渡益の税率は、上場株式と同様に原則20%(所得税15%+住民税5%、復興特別所得税を加算)です。
ただし、口座制度の有無や損益通算の範囲など“扱い”に差がある点には注意が必要です。

税務申告の基本的な流れとタイミング

M&Aや事業承継では、取引が完了した後に税務申告を行うことが原則ですが、評価時点や簿外債務の調整など、事前段階での準備が重要です。
たとえば、株式譲渡の契約締結日と実際の株式移転(引き渡し)日が異なる場合、どの時点の価格を基準にするかを明確にしなければなりません。
また、分割型の譲渡(たとえば数回に分けて株式を売却)や条件付き譲渡(アーンアウト条項付き)を採る場合は、各時点での申告と支払が発生し得ます。
専門の税理士や会計士と連携し、各ステップごとに申告タイミングを設計しておくべきです。
不適切な申告は、後に税務調査を誘発するリスクを高め、過少申告加算税・延滞税などの追加コストを招く可能性があります。

M&A取引における税務上の義務と注意点

M&A取引では、資産・負債の評価を正確に行う義務があり、また隠れた負債(偶発債務など)の有無も精査しなければなりません。
将来的な退職給付債務、リース債務、未払税金引当金、訴訟リスクなどが後日“負債”として顕在化することもあるからです。
これらを見落とすと、株主間紛争や売主買主間トラブルに発展するおそれがあります。

また、譲渡価額に対して支払われる譲渡代価の代理受領や保証、2020年4月1日施行の民法改正により『契約不適合責任』に改められているため、契約不適合責任に関する条項も税務・法務の観点から精査が必要です。

これらのリスクを未然に防ぐには、デューデリジェンス(税務DD)を徹底し、契約条項と税務条項を同期させておくことが望まれます。

税金の計算方法を理解する

資産評価と税金計算の関連性

税金計算の根幹を成すのは「正しい資産評価」です。
M&A取引において、帳簿価額のみならず時価評価を前提とした公正価格を算定することが多く、この評価方法の選択が税額に大きな影響を与えます。
評価方法には、類似業績倍率法(EV/EBITDA倍率など)、収益還元法(DCF法など)、純資産方式などがあり、それぞれ利点・欠点があります。
たとえば、収益還元法を採用すれば将来の収益性を重視した価格が出ますが、想定割引率の設定次第で評価額は大きく変動します。
したがって、複数の評価方法から算定し、評価レンジを理解したうえで税金計算に組み込むことが重要です。

異なる取引形態が税金に与える影響

M&Aには大きく分けて株式譲渡型と資産譲渡型があります。
株式譲渡型は会社の株式そのものを売買する方式で、売主が保有する株式の譲渡所得に対して課税され、会社側に直接的な法人税負担は生じにくい形です。
一方、資産譲渡型では会社が持つ資産を個別に売却・移転する方式となり、売却益は会社の所得とみなされ法人税がかかります。
さらに、一括譲渡か段階譲渡かによっても課税タイミングや税率が変わります。
また、内部取引の除外や持分交換、株式交換・株式移転といった方法を選択することで、税務上の扱いを変えることができます。
株式交換は、一定要件(適格要件等)を満たすと“旧株の譲渡がなかったものとみなされる”ため、その時点の課税は繰り延べられます(端数金銭部分などを除く)。

免税・控除が適用可能なケースの検討

免税や税控除は税負担軽減の切り札となり得ます。
中小企業の事業承継税制は、一定要件を満たす“相続・贈与”による非上場株式等の承継について、相続税・贈与税の納税猶予・免除を適用できる制度です。売買による“譲渡”は対象外です。
また、研究開発税制の控除、地方特区制度の減税、設備投資減税、雇用拡大税制なども活用対象になり得ます。
これら優遇措置には適用条件(投資額、業種、地域、期間など)があり、事前設計が不可欠です。
適用漏れを避けるため、税務専門家と早期相談し、申請準備を怠らないことが重要です。

税務上の注意点とその回避策

二重課税のリスクとその回避方法

国際的な事業承継やM&Aの場合、二重課税のリスクは常に意識すべき課題です。
たとえば、売主が外国居住者であれば、売却益に対して現地国と日本国内双方で課税がなされる可能性があります。
これを回避するには、二国間租税条約(タックス条約)を適用し、源泉税率の軽減や控除制度を活用することが一般的な手段です。
また、国外所得の外国税額控除制度を使うことで、二重課税を回避または軽減できるケースもあります。
さらに、取引構造を工夫(持株会社設立、日本法人を一旦介在させるなど)することで、税負担を最適化する設計が求められます。

適切な税務申告で問題を未然に防ぐ方法

税務申告において最も重要なのは、すべての情報を正確に記録・開示することです。
申告書には、譲渡価格、評価根拠、調整項目(負債・リスク引当金など)、契約条項の内容を明記し、説明可能な根拠を添付しておくことが望ましいです。
専門家(税理士、公認会計士)へ申告書作成を委ね、綿密な内部レビュー体制を築いておくと、申告ミスや過少申告リスクを抑えられます。
さらに、事前確認申請制度や更正の請求制度などを活用し、申告後の税務調整余地を設けておくことも有効です。

税務調査への対応策

税務調査は、多くの企業にとって大きな試練となりますが、適切な準備と対応策があれば乗り切ることが可能です。
まず、予め税務調査リスクの高い箇所を洗い出し、重点的に内部チェックを行うこと。
つねに、取引契約書、評価根拠資料、会議議事録、メール記録、内部レポートなどを整然と保存しておくことが不可欠です。
調査が入った際には、迅速かつ誠実に対応し、追加資料提出を円滑に行える体制を整えておくことが望まれます。

節税対策と事業承継の戦略

効果的な節税対策の選択肢

節税対策にはさまざまな手法がありますが、合法性と持続可能性を担保することが不可欠です。
たとえば、資産の早期評価(時価を把握しておく)、贈与分割や株式信託の活用、役員退職金制度の最適化、繰越欠損金の活用などが挙げられます。
また、前述のような税制優遇措置(中小企業経営承継税制、設備投資税制、研究開発税制など)を組み込んだ計画を早期に設計することで、税負担を最適化できます。

事業承継をスムーズに進めるための戦略的アプローチ

事業承継成功には、早期からの準備と綿密な戦略立案が不可欠です。
まず、後継者の選定と育成、意思決定権移行スケジュールを明確化すること。
次に、財務戦略、資本構成見直し、負債管理、キャッシュフロー設計を行い、事業承継後の運転資金需要も見越しておくことが重要です。
そして、税務戦略を並行して設計し、贈与・譲渡・信託・保険活用などを組み込んだ包括的なプランを策定します。
こうした要素を前倒しで整備できれば、不測の事態にも柔軟に対応でき、承継プロセスを円滑に運ぶ可能性が高まります。

長期的な税務計画の意義と維持管理

M&Aや事業承継は一時的な行為ではなく、数年にわたる中長期プロジェクトと捉えるべきです。
そのため、定期的な再評価、税制改正対応、業績変動対応、後継期間中の構造調整などを盛り込んだ長期的な税務計画が求められます。
また、承継後も内部統制の強化、ガバナンス整備、会計・税務モニタリング体制を継続して見直すことで、将来の税務リスクを最小化できます。

まとめ

この記事では、事業承継およびM&Aにおける税務の基本的な要点から、実際の計算方法の理解、留意すべき注意点と回避策、さらに具体的な節税対策と戦略構築に至るまでを、できる限り具体例を交えて解説しました。
税務は極めて複雑かつ変化が速い領域であるため、常に最新の法令・制度改正情報を収集しつつ、信頼できる専門家と密な連携をとることが、事業の持続的成功を保証する鍵となります。
各段階での緻密な税務設計と正確な申告を通じて、企業は潜在的な財務リスクを最小化し、承継後の成長基盤を強固に築くことができるでしょう。

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