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税務署が調査しやすい会社の特徴と回避方法 | 千葉かつこ税理士事務所
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税務署が調査しやすい会社の特徴と回避方法

税務署が調査しやすい会社の特徴と回避方法

税務調査がどのような会社に来やすいのか、この問題は多くの企業経営者や経理担当者にとって非常に重要かつ切実な関心事です。
税務調査(実地の調査)は、原則として事前に『調査の日時・場所・対象税目・帳簿書類の提示依頼』などを通知して実施されます。
もっとも、証拠隠滅のおそれ等のやむを得ない事情がある場合には、事前通知を省略できる例外もあります。

特に、日々の経理業務や財務管理が煩雑な企業においては、税務署の調査対象となるリスクを可能な限り低減させるために、あらかじめどのような企業が選ばれやすいのか、どのような行動がリスク要因となるのかを正しく理解しておく必要があります。
今回は、税務調査の対象となりやすい会社の特徴、税務署が着目する行動パターン、そしてリスクを回避するための実践的な会計管理方法について、具体例を交えながら詳しく解説します。

税務調査が来やすい会社の特徴

業種別リスク評価

税務調査の対象となりやすい業種には、過去の統計や実績に基づいて一定の傾向があります。
特に、日々の取引において現金決済が多く行われる業種、たとえば飲食業や小売業、美容・理容業、タクシー業などは、売上をごまかしやすい環境にあるとされ、税務署による監視が厳しくなる傾向があります。
また、建設業や不動産業のように、一つ一つの取引金額が大きく、工期や支払い条件が複雑な業種についても、利益の計上タイミングや経費処理の誤差が生まれやすいため、税務調査の対象となるリスクが高いとされています。
このように、業種ごとの特性を踏まえて、税務当局は調査の優先順位を設定しているのです。

経理の不正確さや不透明性

経理処理に不正確さが見られたり、帳簿や領収書が整っていない、または情報の整合性が取れていない企業は、税務調査の対象になりやすいです。
たとえば、領収書が手書きで日付や金額が不明確であったり、取引先名が記載されていないものが多い場合、それが架空経費や水増し請求の疑いを招く原因となります。
また、帳簿の作成方法がバラバラで一貫性がなく、月ごとの数字の変動が極端であったり、取引の内容説明が曖昧な場合、税務署は「意図的な隠蔽や粉飾があるのではないか」と判断することもあります。

異常な財務指標

会社の財務諸表や申告書類において、業界平均と著しく異なる数値が見られる場合、それが税務調査を引き寄せる要因になります。
例えば、同業他社が平均10%程度の利益率であるにもかかわらず、ある企業だけが30%以上の高利益を継続して計上している場合、「本当にその利益は正確に計上されているのか」「不正な節税が行われていないか」といった疑念を持たれる可能性があります。
また、売上は順調に増えているにもかかわらず、経費が急激に増加して利益が大きく減少している場合など、数値の整合性に疑問を感じさせる動きがあれば、税務署は調査の必要性を判断する材料とします。

報告頻度の低さ

税務署に対して提出する報告書類の提出が遅れがち、もしくは申告が頻繁に期限を過ぎて行われている企業は、コンプライアンスに問題があるとみなされ、税務調査のリスクが高まります。
特に法人税や消費税などの主要な申告が継続的に遅れている場合、税務署はその企業に対して内部管理体制の不備や意図的な先延ばしがあると判断し、調査を実施する可能性が高くなります。
定期的で正確な報告を行うことは、企業の信頼性を保つために非常に重要なポイントです。

税務署が調査対象とする行動パターン

不規則な取引記録

帳簿が頻繁に修正されていたり、特定の取引が突然削除されたり、期をまたいで不自然に分割されているような帳簿処理は、税務署が不正の兆候とみなすポイントです。
また、売上の一部が現金売上として処理されておらず、口座に入金された事実があるにもかかわらず記録がないなど、記録の不一致がある場合は、税務調査の対象として優先的にピックアップされることがあります。
帳簿は、整合性、一貫性、網羅性の3点が特に重視されるため、正確な記録を継続的に残していくことが不可欠です。

大規模な一時的な費用発生

ある一会計期間において、明らかに異常と思われる金額の経費が計上されている場合、それが架空経費や先行費用の仮装計上である可能性を疑われ、税務調査に発展するケースがあります。
特に、設備投資や広告宣伝費、人件費などの項目で、過去の推移と大きく異なる数値が計上されていた場合には、その妥当性について細かく調べられることになります。
費用が正当であっても、証拠資料や契約書などを準備しておくことが重要です。

内部統制の欠如

企業が十分な内部統制体制を構築しておらず、業務フローが属人的でチェック機能が働いていない場合、税務調査では「不正やミスが起こりやすい環境にある」と判断されます。
たとえば、経理担当者がひとりですべての支払い処理と承認を行っているような体制では、意図的な経費水増しや私的流用が起こるリスクが高く、税務署は調査を行う正当な理由とすることがあります。
役割の分担とチェック体制の構築は、税務対策としても有効です。

調査リスクを避ける会計管理方法

透明性の高い会計プロセスの導入

すべての取引を明確に記録し、取引の根拠となる証憑(領収書・契約書・納品書など)を適切に保管することで、会計プロセスの透明性を確保することができます。
会計ソフトを活用し、日々の仕訳が即座に帳簿へ反映される仕組みを整えておけば、不正の抑止効果にもなります。
また、会計方針や処理ルールを社内で文書化することで、誰が業務に就いても同じ水準で記録・管理が行える体制を築くことが可能になります。

定期的な内部監査の実施

自社内で定期的に内部監査を実施することにより、帳簿や証憑の整合性、会計処理の妥当性をチェックし、問題があれば早期に修正することができます。
内部監査は、税務調査において提出する資料の信頼性を高めるための土台ともなり、企業の信用向上にも寄与します。
特に中小企業では、外部の会計士や税理士に定期的なレビューを依頼することが、内部監査の代替手段として有効です。

財務報告の精度向上

決算書や損益計算書などの財務報告を正確かつ詳細に作成することは、企業の透明性を高める上で欠かせません。
数字の整合性を保ち、必要に応じて注釈や補足資料を添付することで、税務調査時にもスムーズな対応が可能となります。
また、会計基準に準拠した形式で報告書を作成することにより、形式的な誤りによる指摘を未然に防ぐことができます。

税務調査頻度が高まる条件

急激な利益の変動

ある年に急激に利益が増加または減少している企業は、税務署にとって関心の対象となります。
たとえば、赤字から一転して大幅な黒字になった、または逆に黒字続きだった企業が突然赤字になった場合には、利益操作や架空経費計上の疑いが持たれることがあります。
税務署は、こうした「通常とは異なる動き」に敏感に反応するため、事前に説明可能な資料や要因分析を準備しておくと安心です。

業界内での異常な経営成績

同業他社と比べて極端に高い利益率や売上成長率を誇る企業は、その成果の正当性を問われる可能性があります。
「なぜこの企業だけがこれほどの好成績を出しているのか?」という疑問が税務署の調査を引き起こすきっかけとなることもあるため、業界平均との比較資料や実績の根拠を常に整理しておくことが重要です。

国税局からの以前の警告や指摘

過去に税務署からの指摘や修正申告の要請、あるいは重加算税の適用を受けた企業は、引き続き税務調査の監視対象となりやすい傾向があります。
一度問題があった企業は、「改善されているかどうか」を確認するために再調査される可能性が高いため、税務指導後の改善内容を明確に記録し、社内体制を整えておくことが再発防止の鍵となります。

まとめ

今回は、税務調査の対象となりやすい会社の特徴、税務署が注目する行動パターン、そして調査リスクを避けるための会計管理方法について詳細に解説しました。
日々の経理や財務の透明性を確保し、帳簿を正確に記録・保存することが、税務リスクを未然に防ぐ最も有効な対策です。
定期的な内部監査の導入や、異常な利益変動への備えを通じて、税務署からの信頼を得られる経営体制を構築しておくことが、企業の持続的な成長を支える基盤となります。
不意の税務調査にも慌てず対応できるよう、日頃から健全な会計管理体制を維持することが大切です。

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