働き方改革とは何か、税理士目線で考えてみた。
今や当たり前になりつつ働き方改革。
その是非は置いておくとして、少なくともこれに対応していかなければこれからのビジネスシーンで、その企業は置いていかれることは間違いありません。
そこでここでは、働き方改革とは何なのか、その実態に迫ってみたいと思います。
■なぜ働き方改革なのか
働き方改革というと、高齢者や女性が輝ける社会ですとか自己実現できる社会というきれいな言葉をよく聞きます。
しかし、もちろんその側面がないとは言いませんが、それはあくまで一側面、特に、最も美しく見える側面であってその根本ではありません。
では、なぜ働き方改革なのか。
その答えはたった一つ、そう「労働人口の減少」それだけです。
つまり、働き手という「社会の資本」が減っているので、どうにかしてその前提の中で日本という企業をやりくりしていこうというのが働き方改革の真意。
その視点が抜けると、本質を取り違えてしまいます。
■労働人口の減少から見る働き方改革
では、労働人口の減少という観点をしっかり持って、働き方改革について見ていきましょう。
①今ある労働力を増やす→女性や高齢者の雇用
つまり、使っていない資産をうまく使おうということですが、一番に考えるのは当然これですね。
今までの社会において、労働力としてカウントされなかった人たちや、なかなか労働者になれなかった人たちを、労働者としてカウントできれば、当然数は増えます。
そして、そこで目を着けられたのが、主婦などの女性や高齢者。
女性や高齢者が輝く社会、という言葉の意味がここに見えますよね。
②将来の労働力を増やす→少子化対策
今度は、将来入ってくる資産の絶対数を増やそうという試み。
つまり、将来の労働者数を増やすために、人口そのものを増やしていく努力をしようということです。
いわゆる少子化対策ですが、これには、子供を持つ女性が働ける環境作りなど、が含まれます。
残業対策も、一部ここに関わってきますね。
③労働生産性の向上→効率アップ
最後は、今ある資産をいかに効率よく使うか、ということです。
じつは、働き者といわれる日本人の労働生産性(働きに対して生産する効率)は、先進国の中でも際立って低いことが知られています。
それが、成果主義ではない、長時間労働を美徳とする企業風土。
つまり、うまく働く人より長く働く人重視という考え方です。
これを排除するために方策として、働き方改革で最もよく聞く「残業」に関する話が出てくるわけです。
■企業は働き方改革をどう考えるべきか
ではここからは企業が働き方改革をどう考えるべきかを見ていきましょう。
ちなみに、ここで取り扱うのは、他の解説サイトでよく見る個別の政策ではなく、そのマインドの話になります。
・労働力の減少という事実を忘れない
残業をなくす、高齢者を雇う、同一労働同一賃金など、なかなか企業としては難しい問題が山積みですよね。
しかし、それは、働き方改革の「美点」を説明するばかりの政府と恣意的な解釈をして「汚点」ばかりをクローズアップする野党やマスコミの影響を受けているかもしれません。
これは、いわゆる経理です。
税理士として、その本質を情を挟まずに見るならば、そこには労働力の減少という深刻な事態しか見えてきません。
問題はそこだけなのですから。
・資本が流動的だと考える
いわゆる労働者というのは社会における資本です。
労働者が減少するということは、社会に資本が減るということになり、そこに存在する企業が自分たちに十分な資本を確保し独占できない状態が生まれるというわけです。
たしかに、残業をなくし、高齢者を雇い、非正規と正規の給与を同一にするのは企業にとっては大きな負担です。
しかし、労働者そのものが減っている以上なんとか確保しなければいけません。
いかに、企業にとって不利益が生じるといっても、労働者がいなくなるよりはましなのです。
労働者が納得できる企業を作り上げる、そうでもしないと労働力という社会資本はあなたの企業から逃げていくのですから。
・限られた資本をどう使うのかにシフトする
簡単に言えば、国がやっていることと同じです。
どうしても、労働力が減ることは間違いないですし、その状態は今後より深刻化していくのですから、企業としては、その限られた少ない資本でどうやりくりをしていくかを考えなければいけません。
つまり、資本の数が増えないなら質を上げようというわけです。
具体的に言えば、いかに有能な人物を雇いそれを有効に使うシステムを企業内に生み出していくのか、少ない資本で大きな利益を出す方策を考えていくのかということ。
そこには、経理を含めた経営の効率化は必須なのです。
■会社経営を見直すチャンスにできる
働き方改革を税理士の目で見れば、資金の少ない企業のやりくりそのもの。
ですので、重要なのは限られた資本をいかに使って大きな利益を出せるかということになりますので、必要なことは経営そのものの見直しやコストカット、効率化といった企業の立て直しと同じもの。
埼玉県東松山市、熊谷市、比企郡の企業の経営者の方は、ぜひ当事務所に相談してみてください。
税理士というプロの目線で、新しい時代に即したアドバイスができると自負しております。