先週は株式会社団トラストの代表、堀田直宏さんのセミナーに行ってきました。私はNPO相続アドバイザー協議会の相続アドバイザーとしての認定会員で、私は40期卒業なのですが、堀田さんも私より前の26期の卒業生でその絡みでセミナーに出させていただきました。

お会いして名刺交換をさせていただきましたが、とても魅力のある方で、コミュニケーション能力の高い方だなというのが最初の印象でしたが、やはりコミュニケーション能力検定1級という資格をお持ちで、さすが!!と思いました。お仕事の内容としても揉めている人たちの間に入ってお互いの希望を汲み取り、ぴったりな解決方法をご提案していく、といったことなので堀田さんのような人でないとなかなか難しいお仕事だなと思いました。

堀田さんは基本、不動産が専門で相続コンサルの奥義という本も執筆しています。堀田さんも相続アドバイザーとして相続にまつわる不動産のお仕事を基本としており、相続にかんしては財産の過半を占めるのが不動産であることが多々あります。そんなとき、不動産の有効な利活用の提案が行えて、かつ相続対策にまで精通する専門家として動いているとのことです。

私たち税理士も相続税の税務については精通していても、確かに不動産関係になるとわからないことが数多くあり、そんなときにこのような不動産に精通している方がパートナーとしていたらとても心強いと思いました。

今回の特別講座で教えていただいた、インパクトのある内容を少しご紹介したいと思います。

「稼ぐ、働く」ということは何なのか。お困りごとが仕事の基本であり、社会課題の解決である、ということでした。そして働く、ことが「徳」を積む、ということ。5徳として「仁」「義」「礼」「智」「信」があり、AがBに「仁」を尽くすと「義」に「礼」をプラスして返してもらえる、そういった内容でした。この5徳が回っていくことが働く仕組みだということです。基本は自分の「家」の価値を高めるためにしっかりと報酬を得て仕事を継続していくこと、それが働くということです。

また、もう一つ印象に残っているのが「実行責任」という言葉です。「実行責任」とは、依頼者のために様々な手法を想定しておくのは当然ですが、提案した手法では成功しない、想定外の事態が起こったときにおいてもその原因を追究し、成功するまでその都度知恵を絞りだしながら手を打ち続けるということです。この「実行責任」という言葉を指針とし、自らの哲学としているとのことでした。

また、賃貸事業についても執筆した本に書いてあることをご紹介したいと思います。相続対策として賃貸経営をもちかけられることがありますが、それは本当に有利なのかというところです。

過去にマンションを建築した資産家にヒアリングしたところ、「相続対策になるからといって、マンションを建てたけど、あんまり儲からなかった。借金の返済、建物の管理修繕、賃貸管理、入居者の仲介手数料、広告料も入居者を集めるために必要、退去すれば改修費は負担しなければならないし、相続対策にはなったかもしれないけど、賃貸業としてはどうなのかわからない。」ということでした。

不動産収入も想定賃料によって収支が変動します。今後の賃貸事業は素人運営では立ち行かなくなるのでは?と思います。個人地主の場合は、そもそも売却を前提としていませんから固定運用しかできず、所有エリアの需要減少や供給過多になった場合は家賃下落の波にのまれてしまい、対応できなくなります。

専門知識を持たない一般の地主さんやその後継者の方々が高額借入で建物を再生、新築し、賃貸経営による収入で30年を超える返済をしていうことはとてもリスクが高いと思います。今後の不動産市場をどう考えるか、それは「マンション」と「都心回帰」がキーワードとなるようです。

借入に頼った賃貸経営よりも借入がなく、現金が必要な時に速やかに売却可能な分譲マンションに転換させておき、必要最低限の賃貸経営を行うことができる不動産を残しておくことが重要とのことです。

あとは建築設計をどこの事業者に頼むか、それが大切だと思います。価値のある、時間が経っても価値が落ちない不動産を作ること、それが大切だと思います。
事務所としても相続にどんどん触れていこうと思っています。
相続で聞きたい事がある方、またはちょっとしたご相談でも大丈夫です。
千葉賀津子税理士事務所に、ご気軽にご相談ください。